「万年筆って何だか敷居が高そう…」そう感じている方にこそ知ってほしいのが、プラチナ万年筆の「プレピー」です。驚くほど手頃な価格でありながら、本格的な万年筆の書き味を楽しめるこの一本は、多くの文房具ファンを魅了し続けています。しかし、いざ万年筆プレピーを手に入れようと思っても、実際の使い方が分からなかったり、どのインクや太さを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。また、万年筆プレピーはコンバーターが使えるのか、どこで売ってるのかといった具体的な疑問や、もしもの時にインクが出ない場合の対処法を知りたい方も多いでしょう。
この記事では、初心者の方が抱えるプレピーに関するあらゆる疑問を徹底的に解決します。基本スペックから購入場所、トラブルシューティングまで、その魅力を余すところなく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- プレピーの基本的な使い方と画期的な機能
- インクやペン先の太さの選び方と注意点
- インクが出ないなど、よくあるトラブルの具体的な対処法
- コンバーターの使用可否や詳しい販売店情報
万年筆プレピーの基本性能と魅力

- 価格を超えた本格的な書き心地
- インクが乾かないスリップシール機構
- 万年筆プレピーの基本的な使い方
- 万年筆プレピーのインクと交換方法
- 用途で選ぶ万年筆プレピーの太さ
価格を超えた本格的な書き心地
プラチナ万年筆のプレピーが、世界中で累計1,500万本以上を販売するほどの人気を誇る最大の理由は、その圧倒的なコストパフォーマンスにあります。メーカー公式サイトによると、希望小売価格はわずか440円(税込)。これは、少し高機能なボールペンやシャープペンシルと同等の価格帯であり、「万年筆は高価なもの」という常識を覆す設定です。
しかし、プレピーの真価はその価格だけではありません。ペン先には、ピカピカに磨き上げられた高品質なステンレスを使用し、ペンポイント(紙に接する先端部分)には摩耗に強い特殊合金が採用されています。これにより、低価格帯の万年筆にありがちな紙への引っ掛かり感が少なく、まるでインクの上を滑るように「ツルツル」とした極上の書き心地を実現しています。
初めて万年筆を使う方が「万年筆ってこんなに軽い力で、滑らかに書けるんだ」と感動を覚えるほどの品質をこの価格で提供している点は、まさに驚異的と言えるでしょう。「万年筆をちょっと試してみたい」という入門用として、これ以上ないほど最適な一本です。
同じく入門用として人気のパイロット「カクノ」が、しっかりとした書き応えのある「スラスラ」とした書き味だとすれば、プレピーはより抵抗感の少ない「ツルツル」とした書き味と表現できます。速記やアイデア出しにはプレピー、丁寧な文字を書きたい時にはカクノ、といった使い分けも面白いかもしれませんね。
インクが乾かないスリップシール機構
プレピーが単なる「安い万年筆」で終わらない、もう一つの決定的な特徴が、上位モデルにも採用されているプラチナ万年筆独自の画期的な技術「スリップシール機構」の搭載です。
これは、キャップの内部に特殊なインナーキャップとスプリングを内蔵し、キャップを閉めた際にペン先全体を完璧に密閉することで、インクの水分蒸発を極限まで防ぐ仕組みです。この革新的な機構により、キャップを閉めた状態であれば、なんと1年間インクを入れっぱなしにしておいてもペン先が乾かず、いつでもかすれることなく書き出せるという驚異の性能を誇ります。
従来の万年筆は、数週間も使わないとペン先のインクが乾燥・凝固してしまい、書き出しにくくなるのが当たり前でした。しかし、プレピーならば、
- 毎日使うわけではないライトユーザーの方
- 複数の色のペンを気分で使い分けたい方
- 久しぶりに手帳や日記を書こうと思った方
といった、あらゆるユーザーがメンテナンスのストレスを感じることなく、いつでも気軽に万年筆の豊かな書き味を享受できます。この「いつでも書ける安心感」こそが、プレピーを唯一無二の存在にしているのです。
万年筆プレピーの基本的な使い方
プレピーの使い方は非常にシンプルで、機械が苦手な方や初心者の方でも全く迷うことはありません。購入後、以下の4つのステップでインクカートリッジをセットすれば、すぐに書き始めることができます。
- 胴軸を外す:ペン先が収納されている部分(首軸)を片手で持ち、もう片方の手で本体の後ろ半分(胴軸)を反時計回りにゆっくりと回して取り外します。
- カートリッジを差し込む:付属しているインクカートリッジの、細くなっている方を奥にして首軸に差し込みます。奥まで差し込むと「カチッ」という小さな手応えがありますので、そこまでしっかりと押し込んでください。この時、カートリッジ内部でインクの逆流を防いでいる金属球が押し込まれ、インクが流れる道が開きます。
- 胴軸を戻す:カートリッジをセットした首軸に、再び胴軸を時計回りに回して取り付けます。強く締めすぎず、自然に止まるところまでで大丈夫です。
- インクがペン先に届くのを待つ:インクがペン先に染み渡るまで、ペン先を下に向けて数分間待ちます。少しペンを振ったり、ティッシュの上でペン先を軽くチョンチョンと突いたりすると、より早くインクが出てきます。
たったこれだけで準備は完了です。使い終わったら、スリップシール機構の効果を最大限に発揮させるためにも、必ず「パチン」と音がするまでキャップをしっかりと閉める習慣をつけましょう。
万年筆プレピーのインクと交換方法
プレピーには、購入時に本体と同じ色のカートリッジインクが1本付属しています。そのため、初めての方でも別途インクを購入する必要がなく、すぐに万年筆ライフをスタートできるのが嬉しいポイントです。
インクを使い切って文字がかすれてきたら、新しいカートリッジインクに交換します。交換手順も非常に簡単です。
- 古いカートリッジを、首軸からまっすぐ引き抜いて取り外します。
- 新しいカートリッジを、最初にセットした時と同様に「カチッ」と音がするまでしっかりと差し込みます。
- 再びインクがペン先に届くのを待てば、交換は完了です。
交換用のカートリッジインクは、全国の文房具店やオンラインストアで手軽に購入できます。プレピーには、必ずプラチナ万年筆製の「SPSQ-400」または「SPN-100A」という品番の専用カートリッジインクを使用してください。
インクの色で個性を出す
プレピーのカートリッジインクは、ブラックやブルーブラックといった定番色だけでなく、レッド、ピンク、グリーン、バイオレットなど、多彩なカラーが揃っています。付属のインクを使い切った後、別売りの異なる色のカートリッジインクをセットすれば、ボディの色とインクの色の組み合わせを自由に楽しむことができます。自分だけのオリジナルな一本にカスタマイズするのもプレピーの大きな醍醐味です。
用途で選ぶ万年筆プレピーの太さ

プレピーは、ユーザーの多様な筆記スタイルや用途に対応できるよう、3種類のペン先の太さがラインナップされています。それぞれの特徴を理解し、ご自身の使い方に最適な一本を選びましょう。
| 表記 | 種類 | 特徴とおすすめの用途 |
|---|---|---|
| 02 | 極細 (EF) | 非常にシャープで細い線が書けるため、システム手帳やほぼ日手帳のような小さなマス目への細かい書き込みに絶大な威力を発揮します。万年筆でこれほど安定した極細字が書けるモデルは珍しく、このペン先を求めてプレピーを選ぶ人も少なくありません。 |
| 03 | 細字 (F) | 一般的なゲルインクボールペンの0.5mm~0.7mmに近い感覚で使える、最も標準的で扱いやすい万能な太さです。大学ノートへの講義メモや、日記、手紙など、あらゆるシーンで活躍します。迷ったらまずこの一本を選ぶのがおすすめです。 |
| 05 | 中字 (M) | インクの流量が豊富で、インクの色合いや濃淡(のうたん)がはっきりと出て、万年筆ならではの豊かな表現を最も楽しめる太さです。少し大きめのメモ書きやアイデア出し、サイン、封筒の宛名書きなど、文字をゆったりと書きたい時に最適です。 |
初めて万年筆を使う方でどれを選ぶか迷った場合は、最も汎用性が高く、ボールペンからの移行でも違和感の少ない03(細字)から試してみるのが良いでしょう。そして、その書き味に魅了されたなら、ぜひ他の太さも試してみてください。
万年筆プレピーの購入とトラブル解決
- 豊富なカラーと透明クリスタルボディ
- 万年筆プレピーはコンバーター非推奨
- 万年筆プレピーはどこで売ってる?
- 万年筆プレピーでインクが出ない時の対処法
- まとめ:初めての万年筆プレピー入門
豊富なカラーと透明クリスタルボディ
プレピーの魅力は、その優れた機能性だけでなく、持っているだけで気分が上がるようなポップでカジュアルなデザインにもあります。ボディの素材には、透明度の高いポリカーボネート樹脂が採用されており、中のインクカートリッジが透けて見える遊び心のある仕様になっています。
定番のブラック、ブルーブラック、レッドに加え、特に人気の03(細字)モデルでは、ピンク、バイオレット、イエロー、グリーンといった鮮やかで魅力的なカラーが揃っており、まるでサインペンを選ぶような感覚で好みの色を探すことができます。
自分色に染まる「クリスタル」
カラーバリエーションの中には、ボディに一切の色が付いていない、完全に無色透明な「クリスタル」という特別なモデルも存在します。このクリスタルモデルは、セットしたインクの色がそのままボディカラーのように見えるため、多彩なカートリッジインクをとことん楽しみたい方に絶大な人気を誇ります。
また、インクの残量が一目で正確にわかるという実用的なメリットも兼ね備えています。デザイン性と機能性を両立させたい方にも最適な選択肢と言えるでしょう。(※クリスタルに最初に付属するカートリッジインクはブラックです)
万年筆プレピーはコンバーター非推奨
万年筆の楽しみをさらに広げるアイテムとして、ボトルに入ったインクを吸入して使用するための「コンバーター」という器具があります。これにより、カートリッジにはない無数のインクカラーが使えるようになります。
しかし、非常に残念なことですが、プラチナ万年筆の公式サイトでは、プレピーへのコンバーターの使用は明確に「非推奨」とされています。
プレピーはあくまでも手軽なカートリッジインク専用モデルとして設計されており、首軸の構造がコンバーターの装着を想定していません。無理にコンバーターを取り付けようとすると、接続部が緩くてインク漏れを起こしたり、最悪の場合は部品が破損したりする原因となる可能性があります。
自己責任での使用について
インターネット上には、特定のコンバーターが装着できたという情報や、空のカートリッジにスポイトで好きなインクを注入して再利用する方法なども散見されます。しかし、これらは全てメーカーの保証外の行為です。もし試す場合は、インク漏れで手や大切な書類を汚してしまうリスクを十分に理解した上で、完全に自己責任で行う必要があります。
豊富な色のボトルインクを安全に楽しみたい場合は、初めからコンバーターに対応しているパイロットの「カクノ」やセーラー万年筆の「プロフィットJr.」などを検討するのが賢明です。
万年筆プレピーはどこで売ってる?
プレピーは非常に人気が高く、全国的に広く流通しているため、思い立った時に比較的手に入れやすいのも魅力の一つです。主な販売場所としては、以下のような店舗が挙げられます。
主な販売場所リスト
- 文具専門店:紀伊國屋書店、有隣堂、丸善、世界堂、伊東屋、事務キチといった大型文具店や専門店の万年筆コーナー。実際に試し書きができることもあります。
- 大型雑貨店:東急ハンズやロフトの文具フロア。品揃えも豊富なことが多いです。
- 家電量販店:ビックカメラやヨドバシカメラなどの文具・事務用品コーナー。意外と品揃えが良く、ポイントも使える穴場です。
- 大型ショッピングモール:イオンモールやららぽーと内の大型書店や文具店。
- インターネット通販:Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手ECサイト。定価よりも安く購入できる場合が多く、最も確実な入手方法です。
実店舗では、実際に手に取って色味や持った感じを確かめられるメリットがありますが、品揃えの豊富さや価格面を考慮すると、インターネット通販で探すのが最も効率的かつお得な場合が多いと言えるでしょう。
万年筆プレピーでインクが出ない時の対処法

スリップシール機構のおかげでインク詰まりは非常に起こしにくいプレピーですが、それでも長期間の使用によるインク成分の凝固や、紙の繊維がペン先に詰まることによって、インクの出が悪くなることがあります。そんな時は、慌てずに以下の対処法を順番に試してみてください。
対処法1:ペン先をティッシュで優しく包む
最も簡単で基本的な応急処置です。ペン先を柔らかいティッシュペーパーで優しくつまむように包みます。毛細管現象によって、ペン先に詰まった古いインクがティッシュに吸い出され、新鮮なインクがペン先まで誘導されます。数秒待ってティッシュにインクがじわっと染み出てくれば、再びスムーズに書けるようになることがほとんどです。
対処法2:ペン先を水につける
対処法1で改善しない場合、インクがやや固執している可能性があります。コップに少しだけ水(できれば常温水)を入れ、ペン先を1mmほど浸して数分間待ちます。これにより、固まったインクが溶けやすくなります。その後、再度ティッシュでペン先を拭いてから試し書きをしてみてください。
最終手段:ペン全体の洗浄
これらの方法でも改善しない場合は、インクの通り道全体が詰まっている可能性があります。カートリッジを外し、首軸全体をコップに入れた水に一晩つけて洗浄する必要があります。ただし、これは少し手間がかかるため、まずは上記2つの簡単な方法から試してみることをお勧めします。
まとめ:初めての万年筆プレピー入門
- プレピーは440円(税込)という低価格で本格的な万年筆の書き心地が楽しめる
- 画期的な「スリップシール機構」搭載で1年間使わなくてもインクが乾かない
- 使い方はカートリッジインクを差し込むだけで初心者でも迷わない
- インクはプラチナ万年筆の専用カートリッジ(SPSQ-400など)を使用する
- ペン先の太さは用途で選べる極細(02)・細字(03)・中字(05)の3種類
- 細かい手帳への書き込みには極細、普段使いのノートには細字がおすすめ
- ポップでカラフルな透明ボディと豊富なカラーバリエーションが魅力
- インクの色がそのまま見える無色透明の「クリスタル」モデルも人気が高い
- 好きなボトルインクが使えるコンバーターは公式では非推奨なので注意が必要
- 全国の文具店や雑貨店、家電量販店、そしてネット通販で手軽に購入可能
- インクが出ない時はまずペン先をティッシュで包んでインクを吸い出す
- それでもダメならペン先を少しだけ水につけて固まったインクを溶かす
- 手頃な価格と高い機能性を両立させた、まさに万年筆入門の決定版と言える一本
- コストパフォーマンスが非常に高く、万年筆の楽しさを誰でも気軽に体験できる
- 豊富なラインナップから自分だけのお気に入りの一本を見つける楽しさがある

コメント